効能・効果

  • フルオロメトロンは、ステロイド点眼薬の中で、抗炎症力は強いですか。

    ステロイド点眼薬の場合、全身投与で用いられる合成ステロイド薬のように、抗炎症力の強さによる明確なランク付けはありません。臨床の場では、薬剤の性質や濃度などを参考に、眼炎症に対するステロイド点眼薬の作用の強さの目安を決めて、炎症の重症度に応じて使い分けられています。
    目安としては、ベタメタゾンやデキサメタゾンの点眼薬は抗炎症力が強いステロイド点眼薬という位置づけで、フルオロメトロンの点眼薬は抗炎症力が中等度から弱いステロイドであると考えられています。

    〈2023/10 作成〉

  • 3種類の濃度がありますが、どのように使い分ければよいですか?

    下表のとおり、濃度によって効能・効果が異なります。共通の疾患において、濃度別の使い分けの明確な基準はありません。

    製品の濃度 効能・効果
    0.02% 外眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎等)
    0.05% 外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)
    0.1% 外眼部及び前眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、虹彩炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、術後炎症等)

    一般的に、ステロイド剤は、抗炎症作用が強いものほど、副作用も多くなると言われています。また、同じステロイド剤であれば濃度依存的に起こると言われています。したがって、疾患の種類やその重篤度等を総合的に判断して使い分けをしてください。

    〈2023/10 作成〉

特殊背景患者

  • 妊婦、授乳婦へ投与できますか?

    フルオロメトロン点眼液「センジュ」は、承認時までに妊婦及び授乳婦への使用経験がなく、使用成績調査等も実施していません。このため、安全性が確立していません。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
    妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期・頻回投与を避けてください。(先発医薬品に準じて記載)

    投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後、目を1~5分間静かに閉じ、目がしらを軽く押えるようご指導ください。また、副作用の発現等に十分にご注意ください。

    〈2023/10 作成〉

  • 小児等(低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?

    フルオロメトロン点眼液「センジュ」は、乳児・小児に対する安全性が確立していません(使用経験が少ない)。副作用の発現等に十分にご注意ください。
    特に2歳未満の場合には慎重に投与してください。(先発医薬品に準じて記載)

    なお、小児は大人に比べ、ステロイド点眼剤による眼圧上昇反応が認められる者(ステロイド・レスポンダー)の割合が高いことが報告されている1)ため、小児にステロイド点眼剤を投与する際は、定期的な眼圧測定が必要と考えます。

    • 1):大路正人他:臨床眼科 46, 749(1992)

    〈2023/10 作成〉

安全性

  • どれくらいの期間使用したら、眼圧が上がる危険がありますか?また、眼圧が上がった場合、中止すれば眼圧は元に戻りますか?

    ステロイド薬の点眼投与による眼圧上昇の有無およびその程度は、ステロイドの種類、濃度、点眼回数に加えて患者固有の反応に依存するといわれています。眼圧上昇の程度は、0.1%フルオロメトロンに比べ、0.1%ベタメタゾンのほうが大きいことが報告されています1)。なお、ステロイド点眼薬投与により眼圧上昇をきたした場合、中止により眼圧下降が期待できますが、ステロイド点眼薬を長期に使用した例では、中止しても眼圧が正常化しない場合があるという報告もあります2)
    病状により長期間使用される場合は、特に眼圧上昇の早期発見のために定期的な検査・観察が必要と考えます。

    • 1):高瀬博:眼科54 (1), 33, 2012
    • 2):眼科54(10)9月臨時増刊号, 1318, 金原出版株式会社(2012)

    〈2023/10 作成〉

貯法

  • 使用開始前まで上向きに保管する理由は? また、使用後も上向き保管が必要ですか?

    懸濁剤の場合、懸濁の粒子が沈んで点眼瓶の底にたまるため、点眼する際にはよく振ってから使います。この場合、沈降した粒子が薬液の中に留まっていれば問題なく分散しますが、点眼瓶を横倒しの状態で保管すると、正立(上向き)に戻した際に点眼瓶の壁に残った粒子が空気に触れて凝集して固まり、振り混ぜても粒子が分散しにくくなる可能性があります。そのため、薬局で保管する場合は、使用開始まで正立(上向き)で保管してください。患者様に複数本処方される場合も、“開封前の点眼瓶を正立(上向き)保管する”旨を患者様にご指導ください。もし、粒子が分散しない場合は使用しないようにしてください。
    なお、患者様が使用し始めた点眼瓶は、使用する度に振り混ぜて使用していただくため、粒子が固まって分散しにくくなる可能性はないと考えます。

    〈2023/10 作成〉

服薬指導

  • 他剤と併用する場合の点眼順序と間隔はどうすればよいですか?

    点眼順序、併用間隔等の点眼の仕方について、医師の指導がある場合にはそれに従ってください。
    指導がなかった場合は、併用する点眼剤の添付文書に従ってください。添付文書にも記載が無い場合、点眼順序はどちらが先でも構いません。
    また、併用間隔については、他の点眼剤との点眼間隔が短い場合、先に使用した点眼剤の吸収が不十分となり効果が現れにくくなります。また、先に使用した点眼剤と後に使用した点眼剤が配合変化を生じる可能性があるため、少なくとも5分以上の間隔をあけてから点眼するよう患者様へご指導ください。

    〈2023/10 作成〉

  • コンタクトレンズを装用したまま点眼可能ですか?

    眼炎症を伴っている患者様の眼表⾯の状態などを考慮して、弊社ではコンタクトレンズ(CL)の装⽤をお勧めしません。
    医師が患者様のCL装⽤を認めた場合は、ハード(酸素透過性)・ソフトを問わず、いずれのCL もはずしてフルオロメトロン点眼液「センジュ」を点眼し、5分以上あけてから再装⽤ください。CLを装⽤しての有効性・安全性を確認していません。
    ただ、治療中におけるCL装⽤の可否やCL装⽤時の点眼可否については、患者様の病態に応じて、最終的には診察された医師にご判断いただく必要があります。患者様の治療状況とアドヒアランス等を考慮して患者様ごとにCL装⽤ならびにCL装⽤時の点眼可否をご判断ください。

    • ※当情報を、許可なく複写、複製、転送、改変等を⾏うことはご遠慮ください。

    〈2023/10 作成〉

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