「Good Company」への新拠点が誕生 本社ビル建設プロジェクト

古くから大阪市中央区にある“薬のまち”として知られるエリアに、「Good Company」を目指す千寿製薬の新たな拠点として2018年2月に竣工した新本社ビル。「社員の働きやすさ」を追求し、「千寿製薬らしさ」を表現して建てられた新本社ビルの概要や、建設プロジェクトの舞台裏と担当者の想いなどをご紹介します。

  • ナビゲーター せんせん

  • インタビュー 管理本部 総務部
    部長
    今井清人

7つの要素をコンセプトに建設された
新本社ビル

せんせん
どのようなきっかけで、新本社ビル建設プロジェクトが立ち上がったのですか?
今井
長期にわたって入居していたビルに、設備などの老朽化が目立ってきていました。また、2階、3階、7階に入居していたことで、社員や部門間でコミュニケーションが分断されるといった課題を抱えていました。そこで、2017年(平成29年)の創立70周年に合わせて、新本社ビル建設プロジェクトが始動することになったのです。
せんせん
新本社ビルはどのような「コンセプト」で建設されたのですか?
今井
まずは千寿製薬の価値観の総称である「SENJU SENSE」と、アンケートで収集した社員の声などをもとに、総務部のメンバーでオフィスコンセプトの要素を7つ掲げました。
その7つとは、
  • ・Wellbeing(社員の幸せと健康)
  • ・Open Office(オープンオフィス)
  • ・Focus&Private(集中とプライベートの確保)
  • ・Flexibility(柔軟性のある選択)
  • ・Identity(千寿らしさ)
  • ・Communication(コミュニケーション)
  • ・Enjoy(楽しむ)
というものです。それらの頭文字をとって「ちょっと『WO!』となる『OFFICE』。略して『WOFFICE』」という遊びゴコロのあるコンセプトにしました。
せんせん
ユニークなコンセプトですね!新本社ビルにそれらの要素を反映できましたか?
今井
たとえば、社員が健やかに過ごせる環境づくりのために、ビル全体をデシカント式空調とし、湿度や空気質の最適化を実現しています。さらに、照明にもこだわるなど、目には見えにくい「健康」への配慮についてもしっかり対応しました。その他の要素も上手く反映できているので、さっそく新本社ビルの内部を見ていきましょう。

コミュニケーションの創造と生産性の
向上
を目指す

せんせん
まずはフロアごとに、どのような役割や特長があるのか教えてください。
今井
まず、最上階の9階は社員同士がコミュニケーションを深めたり、リフレッシュしたりすることを目的としたフロアです。食事や休憩、社内イベントなどに利用できるゆとりある「コミュニケーションラボ」には、医学に関するたくさんの専門書も備わっていて、知識の研鑽にも役立っています。そこから一歩踏み出せば、緑が心地良い開放的な屋上庭園が広がっています。外の空気に触れて、ベンチでひと休み・・・良いリフレッシュになりますし、新しいアイデアを生み出すきっかけになるかもしれませんね。
せんせん
庭園があるオフィス・・・たしかに「ちょっとWO!となるオフィス」ですね!
今井
8階は社長の執務室や重要な会議を行う大会議室がある「役員フロア」になります。中央には2代目社長の言葉をもとに、3つの自然石を配置して山を表現した植栽が設けられています。植栽の正面に位置する壁には、タイルで水の波紋を表現して“千寿らしさ”を演出。このフロアは、大切なお客様をお迎えする際にも利用されています。
せんせん
たくさんの社員が活躍しているのは、7階から下のフロアということですね?
今井
その通りです。7階が管理部門、6階が海外部門、5階が研究開発部門と信頼性保証部門、4階と3階が営業活動に関する部門です。7階から3階までを内階段でつないで「縦の分断」をなくし、執務スペースは固定席を設けないフリーアドレスとしています。ガラス張りのシースルー会議室を設けたり、6階と4階にオープンパントリーを設置したりして、部門間や社員同士のコミュニケーションが活発になるように工夫をしています。最後に、2階は複数の会議室を集約したフロア、1階はエントランスになります。
せんせん
いろいろな工夫がされていて、とても働きやすそうなオフィスになっていますね。
今井
新本社ビル建設の目的の一つは、「生産性の向上」でした。その実現には“メリハリのある働き方”が必要です。そこで、6階から3階までのすべてのフロアに、執務スペースとは完全に切り離した形で、休憩や食事、ちょっとしたミーティングなどに利用できる「GOKANスペース」を設けています。さらに、集中して仕事を進めたいときに利用できる「集中ブース」も設置しました。一人ひとりが持っているパフォーマンスを、最大限に発揮しやすいオフィスにすることを心がけました。

新本社ビルを建て、
企業としての意志を表す

せんせん
新本社ビルのあちこちに見られるアイデアや工夫のヒントはどこから得たのですか?
今井
建設会社さんや什器会社さんからのご提案のほか、全国各地のビルやオフィス、ショールームなどを見学させていただきながら、イメージを固めていきました。外壁の素材選定のために、採石場に足を運んだりもしました。快適な環境づくりの鍵となるデシカント式空調についても、実際にビル全体で採用されている企業様に見学させていただきました。
せんせん
エントランスの照明や外構の水景も素敵ですが、それらは何を表現しているのですか?
今井
9階の庭園、8階の植栽で受け止めた雨水が、私たち社員が働くフロアをくぐり抜けていきます。そして、エントランスの照明のように美しい水滴に姿を変えて水景に降り注ぎ、やがて滝や川の流れとなって海へとつながる・・・そんなストーリーを表現しています。それは、千寿製薬の製品や想いを、広く世界へ拡げていこうという意志の表れでもあります。
せんせん
新社屋に対して、社員や取引先の方々などからの評価はいかがですか?
今井
「第31回日経ニューオフィス賞(近畿ニューオフィス奨励賞)」を受賞したほか、見学にお越しになるお客様も多く、外部からの高い評価をいただいています。常に社員の声に耳を傾け、出来るところから改善を継続していくことになるので、「理想のオフィスの完成」までには時間がかかりそうです。社員のみんなが、このオフィスで働けることに、喜びを感じてもらえるようになると良いですね。

「If I were you」から始まる
「Good Company」への道

せんせん
プロジェクトを進める際に、「SENJU SENSE」のどんなところを意識したのですか?
今井
当時はプロジェクトマネジャーという立場だったので、個人的にはやはり「If I were you(もし、私があなただったら)」を強く意識しました。ここで働く従業員の姿はもちろんのこと、新本社ビルを訪れるお客様の姿なども想像しながらプロジェクトを進めました。
せんせん
実際に新本社ビルができた後、今井さんはどんなことを感じたのでしょうか?
今井
新本社ビルができてから約1年半が経過した頃、新本社建設プロジェクトを支えてくださった副社長が新社長に就任しました。社員に対する社長就任の挨拶では「変化が当たり前になる」「仕事を楽しむ」「自分の仕事に誇りを持つ」という3つのポイントについてお話しがありました。そのとき、新本社ビルには、新社長の期待やメッセージがこめられているのだと強く感じました。この新本社ビルを、時代のニーズに応えながら、楽しく、誇りを持って仕事に取り組む社員が集う場所にしていきたいです。
せんせん
「Good Company」実現への拠点として、新本社ビルが機能していくと良いですね。
今井
私たちは「千寿製薬と関わるすべての人々の『しあわせ』を追求する」という価値観をまとめた「SENJU SENSE」のもとで、「Good Company」を目指しています。そこではまず、社員とその家族にとっての「Good Company」となることが大切です。新本社ビルで働く社員とその家族に「千寿製薬で良かった」と感じてもらうために、「ファミリーデー」というイベントをスタートしましたが、その他の工場や研究所にも広まっています。新本社ビルの誕生を機に、社内外に「千寿らしさ」や「価値観」を浸透させる新たな一歩が踏み出されています。

2020年4月作成

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