製剤

  • カタリン点眼用0.005%とカタリンK点眼用0.005%の違いは何ですか?

    カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)とカタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)は、主成分ピレノキシンの固形物を使用時に溶かす「用時溶解型」の点眼剤です。
    カタリンとカタリンKの大きな違いは、カタリンは錠剤を溶かすタイプで、カタリンKは顆粒を溶かすタイプだというところです。両製品とも、主成分の溶解後の濃度は同じです。
    他に、溶解液の添加物が一部異なります。また、溶解後のpHが異なります。

    溶解液の添加剤
    カタリン カタリンK
    ホウ酸、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、等張化剤、pH調節剤 ホウ酸、イプシロン-アミノカプロン酸、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、等張化剤
    溶解後のpH
    カタリン カタリンK
    5.5~.6.5 4.5~6.5

    〈2023/05 作成〉

  • カタリン点眼用0.005%とカタリンK点眼用0.005%はどのように使い分けるのですか?

    カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)とカタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)は、主成分ピレノキシンの固形物を使用時に溶かす「用時溶解型」の点眼剤です。
    カタリンは錠剤を溶かすタイプで、溶解時は錠剤1個を溶解液に入れるだけなので、操作が簡単です。
    カタリンKは顆粒を溶かすタイプで、錠剤よりも早く溶けます。
    それぞれの利便性を考慮して、お使いください。
    また、溶解液の添加物が一部異なりますので、その異なる添加物にアレルギーを持つ患者さんがいた場合には、それが入っていない方の製剤を選ぶなどで使い分けることもあります。

    〈2023/05 作成〉

  • 15mLでどれくらい使用できますか?

    カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)とカタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)の1滴量は、ともに約0.05mLです。また、両製品の充填量はともに1本15mLなので、1本あたり約300滴分入っていることになります。
    カタリンとカタリンKの用法・用量は、ともに『1回1~2滴、1日3~5回点眼』です。1日の最大用量を考えると、片眼で1回2滴×5回=10滴、両眼では20滴が必要となります。
    つまり、カタリンとカタリンKをともに、両眼で使用した場合には、1本で約15日分(1本300滴÷1日20滴)となります。
    しかし、片眼点眼や1回1滴点眼または1日3回点眼など、白内障の進行具合によっては最大用量まで使用することは少なく、3週間では薬液が余ることも考えられます。その場合、残液は使用せず廃棄していただくようお願いいたします。

    〈2023/05 作成〉

貯法

  • 保管方法と溶解後の使用期限は?

    未開封(溶解前)時は直射日光を避けて室温(1~30℃)で保管してください。

    溶解後は、製品の箱に入れて遮光し、冷所(1~15℃)で保管してください。また、溶解後(溶解日を0日)は3週間以内に使用し、期間を過ぎたものは使用しないでください。
    本剤の有効成分であるピレノキシンは、一度溶解すると不安定となり徐々に分解します。分解は温度が高いほど早く、光の影響も受けて主成分量の残存率が低下します。
    有効性欠如の懸念より、ピレノキシンの残存率が90%以上でのご使用をお願いします。

    <参考データ>
    溶解後の安定性
    なお、貯法条件(1~15℃)以外のデータは参考データであり、それら条件下での品質を保証するものではありません。

    ●カタリン点眼用0.005%

    保存条件:15℃(暗所)、ポリプロピレン(褐色)、15mL

    保存期間(週)
    溶解直後 1 2 3
    外観 黄色澄明 同左 同左 同左
    pH 6.0 6.0 6.0 6.0
    ピレノキシン残存率(%) 100.0 96.7 93.6 90.6

    カタリン点眼用0.005%インタビューフォームⅣ.製剤に関する項目 6.溶解後の安定性

    保存条件:25℃(暗所)、ポリプロピレン(褐色)、15mL

    保存期間(日)
    溶解直後 3 5 7
    外観 黄色澄明 同左 同左 同左
    pH 5.9 5.9 5.9 5.9
    ピレノキシン残存率(%) 100.0 95.2 92.7 89.8

    保存条件:30℃(暗所)、ポリプロピレン(褐色)、15mL

    保存期間(日)
    溶解直後 3 5
    外観 黄色澄明 同左 同左
    pH 5.9 5.9 5.9
    ピレノキシン残存率(%) 100.0 95.2 89.6

    ●カタリンK点眼用0.005%

    保存条件:15℃(暗所)、ポリプロピレン(褐色)、15mL

    保存期間(週)
    溶解直後 1 2 3
    外観 黄色澄明 同左 同左 同左
    pH 5.9 5.9 5.8 5.9
    ピレノキシン残存率(%) 100.0 97.6 93.1 91.4

    カタリンK点眼用0.005%インタビューフォームⅣ.製剤に関する項目 6.溶解後の安定性

    保存条件:25℃(暗所)、ポリプロピレン(褐色)、15mL

    保存期間(日)
    溶解直後 3 5 7
    外観 黄色澄明 同左 同左 同左
    pH 5.9 5.9 5.8 5.8
    ピレノキシン残存率(%) 100.0 95.8 93.3 90.5

    保存条件:30℃(暗所)、ポリプロピレン(褐色)、15mL

    保存期間(日)
    溶解直後 3 5
    外観 黄色澄明 同左 同左
    pH 5.9 5.9 5.8
    ピレノキシン残存率(%) 100.0 94.5 90.3

    〈2023/05 作成〉

その他

  • 『ピレノキシン点眼液』と、一般名で処方が出ました。その場合、カタリン点眼用0.005%、もしくはカタリンK点眼用0.005%を調剤できますか?

    2019年4月1日以降、『ピレノキシン』と一般名で処方された場合は、カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)とカタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)は、調剤できません。カタリンKの後発品がなくなり、一般名処方マスタから「ピレノキシン点眼用0.005%」が削除されたためです。『ピレノキシン』と処方が出た場合は、他社製品が該当します。
    以上より、カタリンを処方する場合は『カタリン』、カタリンKを処方する場合は『カタリンK』と、処方箋に記載していただく必要があります。

    〈2023/05 作成〉

  • 『カタリン点眼用0.005%』と製品名で処方が出ましたが、『カタリンK点眼用0.005%』や他社製品のピレノキシン製剤に変更できますか?

    剤形が異なることから変更はできません。
    カタリン点眼用0.005%は、二剤性で、錠剤を溶かす用時溶解型の点眼液です。
    カタリンK点眼用0.005%は、二剤性で、顆粒を溶かす用時溶解型の点眼液です。

    〈2023/05 作成〉

  • 以前はカタリン点眼用0.005%やカタリンK点眼用0.005%がドラッグストアでも販売されていたと思いますが、現在、販売できない理由は?

    カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)とカタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)は、発売当初から医療用医薬品です。
    かつての薬事法では、医療用医薬品や一般用医薬品の分類がなかったため、一般販売業などでも医療用医薬品が取り扱いされていました。このため、カタリンKの1本包装がドラッグストアで販売されていた経緯があります。
    しかし、2009年に改正された薬事法により、一般販売業などが店舗販売業に代わり、「店舗販売業は一般用医薬品以外の医薬品は取り扱ってはならない」旨が明記されたため、ドラッグストアでは医療用医薬品を取り扱うことが出来なくなりました。
    カタリンやカタリンKは医療用医薬品なので、調剤薬局でのみ取り扱うことが出来ます。分類上、両製品とも『処方箋医薬品以外の医療用医薬品』であることから、調剤薬局様のお考えによっては処方箋なしで販売することが可能です。ただし、販売する際は『薬局医薬品の取り扱いについて(平成26年3月18日発出の薬食発0318第4号)』に準じる必要がありますので、内容をご確認ください。

    〈2023/05 作成〉

服薬指導

  • 錠剤あるいは顆粒が、溶解したかどうか判別する方法はありますか?

    錠剤あるいは顆粒を溶解した薬液は黄色澄明であることから、薬液の性状を見ることで、錠剤あるいは顆粒の溶解を確認できます。薬液が黄色澄明であれば、錠剤あるいは顆粒はすでに溶解済みです。一方で、無色澄明であれば、錠剤あるいは顆粒は溶解されていないと考えられます。

    〈2023/05 作成〉

  • 『錠剤パック(カタリン点眼用0.005%)あるいは、顆粒パック(カタリンK点眼用0.005%)が入っていませんでした。』と患者様から申し出がありました。そういうことはあるのですか?

    カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)やカタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)ともに、製造時には金属探知機での検査と重量検査を行っており、錠剤パック(カタリン)あるいは顆粒パック(カタリンK)が入っていない製品が出荷される可能性は極めて低いと考えます。
    過去のお問合せでは、患者様が既に溶かされていた場合もありました。薬液が黄色澄明であれば、錠剤あるいは顆粒はすでに溶解済みです。一方で、無色澄明であれば、錠剤パック(カタリン)あるいは顆粒パック(カタリンK)の紛失などが考えられます。

    〈2023/05 作成〉

  • 遮光の投薬袋が入っていませんが、どのように遮光保存すればいいですか?

    カタリン点眼用0.005%(以下、カタリン)、カタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)ともに、容器は遮光性のある茶色の容器ですが、製品の箱(カタリンKの1本包装は個装箱、カタリンおよびカタリンKの10本包装・50本包装は白い内箱)に入れた状態で遮光性の担保を取っています。製品の箱が投薬袋の代わりになりますので、必ず製品の箱に入れて保管してください。

    〈2023/05 作成〉

  • カタリンK点眼用0.005%を溶解する際に、溶解液をこぼしてしまった、あるいは、顆粒が少しこぼれてしまいました。
    使用してもいいですか?

    カタリンK点眼用0.005%(以下、カタリンK)は、主成分ピレノキシンの顆粒全量を15mLの溶解液に溶かした製剤で有効性と安全性を確認しています。ピレノキシンの濃度が高く、あるいは、低くなるため、お使いにならないでください。

    〈2023/05 作成〉

  • 外出時の保存はどうすればいいですか?遮光して、冷所(1~15℃)保存は必要ですか?

    錠剤あるいは顆粒を溶解液に溶解した後は、常に冷所(1~15℃)で、遮光して保存することが必要です。製品の箱に入れて遮光し、保冷剤とともに保冷バックに入れて持ち歩くようご指導ください。外出先に冷蔵庫がある場合には、冷蔵庫での保管をお願いします。また、点眼液が凍らないようご注意ください。

    〈2023/05 作成〉

  • 他剤と併用する場合の点眼順序と間隔はどうすればよいですか?

    点眼順序、併用間隔等の点眼の仕方について、医師の指導がある場合にはそれに従ってください。指導がなかった場合は、併用する点眼剤の添付文書に従ってください。添付文書にも記載が無い場合、点眼順序はどちらが先でも構いません。
    また、併用間隔については、他の点眼剤との点眼間隔が短い場合、先に使用した点眼剤の吸収が不十分となり効果が現れにくくなります。また、先に使用した点眼剤と後に使用した点眼剤が配合変化を生じる可能性があるため、少なくとも5分以上の間隔をあけてから点眼するよう患者様へご指導ください。

    〈2023/05 作成〉

  • コンタクトレンズを装用したまま点眼可能ですか?

    ハード・ソフトを問わず、いずれのコンタクトレンズ(CL)もはずしてカタリン点眼用0.005%またはカタリンK点眼用0.005%を点眼し、5分以上あけてから再装用ください。CLを装着しての有効性・安全性を確認していません。ただし、CL装用中の点眼可否は一概に決められるものではありません。患者様の治療状況とアドヒアランス等を考慮して患者様ごとに点眼可否をご判断ください。

    〈2023/05 作成〉

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