バイオシミラーは本当に先行バイオ医薬品と効果や安全性が同等と言えるのですか?

先行バイオ医薬品と同じ品質になるよう、厳格な国の基準に沿って品質管理が行われています。

効果や安全性が保証されているバイオシミラー

バイオ医薬品の有効成分は、非常に複雑な構造をしていることから、先行バイオ医薬品と全く同じものを作ることは困難です。そのためバイオシミラーの開発は、同じ構造の薬を作るのではなく、先行バイオ医薬品と「同等/同質」の薬を作ることを目指して行われます。

同等/同質とは、品質に大きな差がなく、有効性や安全性に影響するような違いがないという意味です。バイオシミラーを開発する製薬会社は、同等/同質であることを検証するために、多くの試験を行うことを国から求められています。この試験に合格した薬のみがバイオシミラーとして販売されるため、患者さんは先行バイオ医薬品と同等の効果や安全性を示す薬を安心して使うことができるのです。

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バイオシミラー販売までの厳しい関門

バイオシミラーが製品化・販売されるまでには、厳格な国の基準に基づいた多くの試験をクリアする必要があります。

バイオシミラーの開発において求められている試験

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最初に行われる試験は、品質特性解析です。バイオシミラーとして開発した医薬品の構造や性質、安定性などが、先行バイオ医薬品と十分に類似していることを確認します。次に、培養細胞や動物を使って作用や毒性を確かめる試験(非臨床試験)を行います。そして最後に、患者さんに対して開発した医薬品を実際に投与することで、先行バイオ医薬品と同じ方法で使っても同等の効果を得られるか、副作用の発現状況などに差はないか、といったことを検証します(臨床試験)。

これらすべての試験に合格しないと、バイオシミラーを医療現場で使うことはできません。先行バイオ医薬品と同等/同質であると科学的に検証されたものだけが、患者さんの元に届けられているのです。

また国は、バイオシミラーを開発した製薬会社に対して、販売を開始した後も副作用などの情報を集め続けるよう求めています。患者さんが安心してバイオシミラーを使うことができるよう、安全性が継続的に監視されているのです。

参考資料
厚生労働省医政局経済課 バイオ医薬品・バイオシミラーを正しく理解していただくために(医療関係者向け)(平成31年2月)
厚生労働省主催「バイオ医薬品及びバイオシミラー普及啓発等事業」講習会 バイオ医薬品とバイオシミラーの基礎知識