「目がきれい」と言われたい! 目元を若々しく、健やかに保つケア方法を紹介
眼科医 地場奈実 先生

監修
眼科医 地場奈実 先生

東京・成城のアイリス眼科院長。日本眼科学会認定眼科専門医。目の健康寿命を後押しするため、気軽に安心して受診できる身近な専門医を目指している。眼科の枠を超えた「メディカルインディバ」や「アロマセラピー」の施術も好評。患者さんの笑顔に日々励まされながら、一人ひとりに丁寧に向き合いオーダーメイドの治療を提供している。

目がきれいだと、それだけで「美人度」が増すように感じませんか?でも、「目がきれい」ってどんな状態を言うのでしょうか。そこで、その定義を探るとともに、きれいな目になるための方法をさまざまな角度から紹介します。

「目がきれい」に見える条件って?

目が輝いている赤ちゃん
目がきれいな人と言えば誰を思い浮かべますか? 赤ちゃんや小さな子どもと答える人は多いのではないでしょうか? なぜ赤ちゃんの目はきれいなのか、そのメカニズムを紹介します。それを踏まえた上で、「目がきれい」であることとはどういうことか、見てみましょう。

きれいな目と言えば、赤ちゃんの目

赤ちゃんの目は、白目が青みがかっていて、透明感があります。そのように見えるのは、眼球を覆う「強膜」、つまり、白目の厚みが関係しています。「強膜」は、年齢を重ねていくにつれ厚くなり少しずつ濁っていきますが、赤ちゃんは、大人に比べて強膜が薄く脈絡膜が透けるため、青白く見えると言われています。

白目がきれいということ

赤ちゃんの目のように、白目がきれいだと、パッと見た印象にも清潔感を感じさせます。また、白目がきれいであることは、黒目を引き立たせ大きく見せる効果も。例えば、肌がきれいな女性は、肌が荒れている人に比べるとメイクが映えてきれいに見えませんか? それと同じように、白目がきれいだと、黒目が引き立ち、目全体がきれいな人という印象を与えます。

理想は、充血や濁りなどがない白色。そして、表面が涙でしっかりと覆われてツヤがあり、キラキラしている状態です。

目がきれいに見えない? 白目が充血したり濁ったりする原因とは

目が疲れている女性
白目が充血していたり、黄色く濁ったりすると、目はきれいに見えません。では充血や濁りを引き起こすには、どんな原因があるのでしょう?代表的な原因を紹介します。

加齢による影響

強膜が年齢とともに厚くなっていくと、白目の青白い透明感は徐々に失われていきます。また年齢を重ねると、目の内部にあるコラーゲンやエラスチンというたんぱく質の配列が乱れていきます。それによって白目に濁りが発生し、次第に目立つようになっていくのです。

紫外線の影響

紫外線の影響により様々な症状や病気を引き起こすことがあります。

具体的には雪目(ゆきめ)により目に炎症や充血などを引き起こしたり、色素を沈着させたり、黒目の左右の白目部分が黄色っぽく盛り上がる瞼裂斑(けんれつはん)という症状を引き起こしたり、目の中のレンズの働きをする水晶体を白く濁らせ視力を低下させる白内障や、白目にできた膜が目頭から黒目に伸びて覆いかぶさってくる翼状片(よくじょうへん)という病気を引き起こすことがあります。

白内障や翼状片という病気については、視機能に影響を及ぼす可能性があるため早急に眼科を受診しましょう。

ドライアイ(目のかわき)

ドライアイ(目のかわき)の症状として、目の表面が乾くことで、細胞が傷つきやすくなります。目の乾きを放っておくと、白目部分にダメージが広がり、目の血管が拡張して充血に繋がります。

白目をきれいに見せる方法

鏡の前で自分の目を気にする女性
目そのものにアプローチする方法はもちろん、きれいな白目になるためには、食事などの方法も有効です。さまざまな手段があるので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね。

温めて血流を良くする

血管は温められると、血流が良くなり、それによって、酸素や栄養分が細部まで行き渡りやすくなります。目が疲れている場合などは、蒸しタオルやホットアイマスクなども上手に取り入れて、目の周りを温めるのもよいでしょう。

目を冷やして、充血をとる

白目の充血がひどいときは、血管が拡張しています。血管は、冷やすことで血流が抑えられて収縮します。例えば、冷たい水で濡らしたタオルや氷を挟んだタオルなどを用意して、目の周りを冷やしてあげると、白目の充血が和らぐでしょう。

目の乾燥感を防ぐ

目の表面の乾燥感には、エアコンなどの冷暖房機器による乾燥が大敵。部屋で長い時間を過ごす場合は、加湿器などで湿度を上げておきましょう。また、コンタクトの長時間装用も乾燥感に繋がりますので、目薬でうるおいを足してあげ、決められた装用時間を守りましょう。

涙を補助する役割の成分「塩化ナトリウム」「塩化カリウム」「塩化カルシウム」などが成分として表記された、人工涙液型の目薬も良いでしょう。

目薬の力を借りて、充血をとる

目の充血を解消したいときには、「血管収縮剤」配合の目薬を使用しましょう。拡張した血管を収縮させ、すばやく目の充血を改善してくれます。ドラッグストアで、「塩酸テトラヒドロゾリン」「ナファゾリン塩酸塩」と成分表記されている目薬を選んでくださいね。

ただし、血管収縮剤は充血の原因となっている炎症に対する治療効果はなく、長い期間使用することによって薬が効かなくなったり、リバウンドで充血が酷くなったりするというリスクも。定められた用法用量を守り、一時的に使用するのがおすすめです。

まぶたの汚れをキレイにする

メイクの汚れはまぶたの縁にあるマイボーム腺の詰まりの原因になりますが、それだけでなく、それを餌とするまつげダニが繁殖する原因になることがあります。しっかりメイクを落とすためには、まつげの生え際まで丁寧に洗うようにしましょう。

ツボの刺激やエクササイズで疲労を軽減させる

目の疲れに効くツボ睛明(せいめい)の図説
眼精疲労が原因の場合には、ツボを刺激したりエクササイズしたりするのも有効です。目の周囲の筋肉の緊張がほぐれるため、疲労が軽減されます。例えば、目頭の少し上にある睛明(せいめい)というツボは目の疲れに効くと言われていますので、すき間時間に親指で優しく押してみると良いでしょう。

また、ドライアイ(目のかわき)の原因ともなるマイボーム腺の詰まりの解消には、まぶたの上の骨の下から目の際へ、また目の下から際へ向かい、縦方向に指にやさしく圧をかけてみましょう。

もう1つ、目の開け閉めをする眼輪筋の衰えも、ドライアイ(目のかわき)の原因になる可能性があります。5秒ずつまぶたを開け閉めするエクササイズを行うだけでも、効果的です。

目の健康にも配慮した食生活を心がける

白目に濁りをもたらす糖化や酸化を防ぐために、抗酸化や抗糖化になる食材を意識的に取り入れてみましょう。抗酸化栄養素はビタミンA・C・E、ポリフェノールを多く含む食材。また、目に良いとされる「ルテイン」などの栄養素も積極的に摂取しましょう。

糖化を防ぐために糖質を摂り過ぎないようにしたり、目の充血につながるタバコやアルコールを控え目にすることも心がけましょう。

サングラスやメガネで目を守る

紫外線からのダメージに備えるために、サングラスやメガネをかけて、日常的に目を守ることも意識してみてくださいね。

目がきれいであるためには、日々の習慣も大切!

素敵な笑顔の女性
きれいな目をつくるのは普段の目の使い方や食生活まで、日々の習慣もポイントになりそうです。また目がきれいであることは、目が健康であることとも言えそうです。習慣化を意識して、白目のきれいさと目の健康、どちらも手に入れてくださいね。

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