目を洗浄する意味やメリット、知ってる? 洗浄時に気を付けるポイントも紹介
眼科医 谷藤典子 先生

監修
眼科医 谷藤典子 先生

岩手県にある谷藤眼科医院副院長。日本眼科学会認定眼科専門医。メガネ、コンタクト、ものもらい、結膜炎、ドライアイ、眼精疲労といった眼科一般の病気はもちろん、日帰り白内障手術、網膜硝子体手術、レーザー眼科治療など専門治療も行っている。

目や目の周囲の汚れを洗い流すことで、眼病予防にもつながる目の洗浄。目を清潔に保つだけではなく、まつげや目もとを健康にするプラスαのメリットを期待して行う場合もあります。ここでは、目や目の周囲をきれいに保つことの大切さ、目の洗浄方法、洗浄する際の注意点について紹介していきます。

目の洗浄とは

目元を気にしている女性の画像
「目を洗う」ということを、日常的に行っている人は少ないかもしれません。実は、洗眼や目の周囲をきれいに保つことで、眼病を予防するなどの効果が期待できます。

目の洗浄の方法

洗浄液と洗眼カップのセット
目の洗浄には、市販の洗眼薬を使う方法があります。
ここではそれぞれのやり方について見ていきましょう。ここから自分に合った方法はどちらかチェックしてくださいね。

1. カップと洗眼液を使った目の洗浄

カップに洗眼液を入れてまばたきするタイプの洗浄方法は、洗眼液の種類が豊富で、さらにドラッグストアなどで手に入れやすいのがメリット。ただし、やり方を間違えると反対に目の周囲やまつげに付着しているものを目に入れてしまったり、傷つけてしまったりすることもあるので注意しましょう。

2. 点眼タイプの目の洗浄

点眼型洗眼薬を使用する目の洗浄方法もあります。目薬の中には、目の洗浄(ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズを装着しているときも含む)の効能を持つものもあります。
この場合は目薬と同じように4~6滴ほど点眼し洗い流すだけで洗浄完了。
正しく点眼すれば点眼液をまぶたやまつげに付着させずに行うことができます。

【緊急時】洗眼液や点眼型洗眼薬がないときの洗浄

目にゴミが入ってしまったけれど、手元に洗眼液や点眼型洗眼薬がない、そんな緊急時に洗眼する方法として流水による目の洗浄があります。

水道水で目を洗浄する場合は、流水でまず異物を洗い流します。水道水を両手ですくい、その中でまばたきして異物感がなくなるまで行いましょう。
十分に洗い流した後も異物感を感じるときは眼科を受診してください。

水道水には塩素が含まれているため、この方法は緊急時にのみ行うようにしましょう。

目を洗浄するときに気を付けたい点

洗顔する女性
目の洗浄の方法がわかったら次に押さえておきたいのが「注意点」。誤った目の洗浄はかえって目の健康を損なうことにもつながります。しっかりとチェックしましょう。

目を洗浄する前に、目の周囲を清潔にする

目のまわりには皮脂やフケ、花粉やホコリなどの他にも、アイメイクの残りなどが付着している可能性があります。目の周囲を清潔にせずカップの中でまばたきをすると、目の周囲の汚れや菌が液に入るため、かえって目に悪影響を与えることになってしまいます。
【目の周囲を清潔にすることは眼病予防にもつながる】
目の周りが汚れた状態で洗眼をすると、結膜炎の原因になったり、目の周りが汚れた状態で放っておくと眼瞼炎などの原因になることがあります。また、「まつげダニ」とよばれるダニが繁殖したりすることがあります。

目の周囲をきれいにすることで、まつげの根元やその近くの「涙の中の脂を分泌するマイボーム腺」の出入り口を清潔に保ち、疾患の予防が期待できます。目の周囲を不衛生にしていると、マイボーム腺が正常に機能しない状態になり、目のかわきや充血、異物感など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。

目の周囲を清潔に保つための方法として、目もとの洗浄=『リッドハイジーン(Lid hygiene)』という方法があります。目もと用の清浄綿や目にしみにくいように作られた目もと専用のシャンプーを使用して、目の周囲を清潔にすることができます。
まつげの根元近くにあるマイボーム腺の図説

目の洗浄に使用する器具は清潔に保つ

目の洗浄にカップなどを使用する場合は使用した後はキレイに洗浄し、清潔な場所で乾燥させましょう。濡れたまま放置すると菌が増殖し、かえって不衛生になりかねません。

目の洗浄の意味を正しく理解し、健康的な目を維持しよう

目にグッドマークをしている女性の画像
目や目の周囲の汚れを洗い流すことで、眼病予防にもつながります。自分に合った方法で汚れをすっきり落として、健康的な目を維持してくださいね。

人気のキーワード

TOP