用法・用量

  • 1日何回点眼できますか?

    適応症により用法・用量は異なります。

    • ●外眼部細菌感染症(眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む))に使用する場合は、通常、1回1滴、1日3回点眼しますが、点眼回数は症状により適宜増減されることがあります。医師の指示にしたがってください。
      「症状により適宜増減する」ことについて、本剤の角膜炎(角膜潰瘍を含む)を対象とした一般臨床試験では、点眼回数を症状に合わせて、1日最大8回まで増加することを可能とし実施しました。その結果、3回5例、6回2例、8回1例の頻回点眼の症例があり、症状が緩和すれば点眼回数を減らすことも行われました。副作用発現率は11.8%(2/17例)でしたが、その事象は全て投与部位刺激感であり重篤な副作用は認められませんでした。※1
    • ●眼科周術期の無菌化療法に使用する場合は、通常、手術前は1回1滴、1日5回、手術後は1回1滴、1日3回点眼します。
      眼部手術患者に対する術前無菌法試験では、術前の2日間は1回1滴、1日5回点眼投与しているが、臨床上危惧すべき副作用は認められませんでした。※1

    【参考】臨床成績

    • ●本剤の外眼部細菌感染症(眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む))を対象とした臨床試験及びその他の疾患に対する一般臨床において、1回1滴、1日3回の点眼投与で有効性と安全性を確認した。※2
    • ●眼科周術期の無菌化療法に対しては、手術前に1回1滴、1日5回点眼を行う無菌法及び1回1滴、1日3回点眼による術後14日目の無菌化の評価と術後感染症発症の有無の評価を行い、除菌効果と安全性を確認した。※2
    • ●健康成人男子志願者12名を対象とした臨床薬理試験では、片眼に0.3%又は0.5%ガチフロキサシン点眼液を他眼に生理食塩液を、1回2滴単回点眼後、翌日から1回2滴1日4回7日間点眼し、さらにその翌日から1回2滴90分間隔で1日8回3日間点眼した結果、0.3%群及び生理食塩液群に糸状角膜炎が1例認められたが、いずれも軽度かつ一過性のものであった(主薬による影響は少ないものと推測された)。また、点眼時使用感において、一過性の刺激感が0.3%群で6例中2例に、0.5%群で6例中4例に認められた。その他、全身症状、眼科的検査、理化学的検査及び臨床検査値において臨床上問題となる変動は認められなかった。※2
    • ※1 ガチフロ点眼液0.3%インタビューフォーム Ⅴ.治療に関する項目 3.用法及び用量
    • ※2 ガチフロ点眼液0.3%インタビューフォーム Ⅴ.治療に関する項目 5.臨床成績
  • 投与期間の目安はどれくらいですか?

    疾病の症状や程度により治療期間は異なるため目安はありませんが、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが必要です。
    なお、本剤の外眼部細菌性感染症(眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む))を対象とした臨床試験では投与方法は1回1滴、1日3回、点眼期間は3日以上最長14日でした。
    眼科周術期の無菌化試験の場合の投与量、投与期間は、手術前の2日間は1回1滴、1日5回、手術当日は1回1滴、3回(細菌検査直後、術前、術後)、手術後は1回1滴、1日3回、14日間でした。

    • ※ガチフロ点眼液0.3%インタビューフォーム Ⅴ.治療に関する項目 5.臨床成績
  • 1日のどの時間帯に点眼すればよいですか?

    医師の指示があれば、指示に従ってください。
    本剤を1日3回点眼する場合は、起きている時間内(例:8:00 -22:00)で間隔が均等(例:概ね7時間毎)になるよう点眼(例:1回目8:00、2回目15:00、3回目22:00)することを勧めます。

特殊背景患者

  • 小児等(低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?
    また、小児等への投与経験はありますか?

    本剤は、1歳以上の小児等(幼児、小児)にご使用いただけますが、1歳未満の小児等(低出生体重児、新生児、乳児)を対象とした臨床試験は実施しておらず、その安全性は確立していません。そのため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。

    【参考】
    承認時及び小児等(1~11歳)対象の臨床試験終了時までに実施した臨床試験において、1歳以上15歳未満の全ての症例(70例)に副作用は認められませんでした。

    1歳未満の小児等(新生児、乳児)への投与経験としては、製造販売後に実施した新生児及び乳児を対象とした特定使用成績調査において、全ての症例(178例)に副作用は認められませんでした。

    • ※ガチフロ点眼液0.3%インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意

    低出生体重児:体重2,500g未満
    新生児:生後27日以下
    乳児:生後28日以上1歳未満
    幼児:1歳以上7歳未満
    小児:7歳以上15歳未満

  • 妊婦へ投与できますか?
    妊婦への投与経験はありますか?

    ガチフロ点眼液0.3%は承認時までに妊婦への使用経験がなく、安全性が確立していません。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後、目を1~5分間静かに閉じ、目がしらを軽く押えるようご指導ください。また、副作用の発現等に十分にご注意ください。
    投与経験としては、製造販売後に実施した妊婦を対象とした特定使用成績調査において、全ての症例(8例)に副作用は認められませんでした。

    【参考】

    生殖発生毒性試験※1
    試験項目 試験系 投与経路、期間 投与量
    (mg/kg/日)
    試験結果
    (mg/kg/日)
    妊娠前及び 妊娠初期投与試験 ラット 経口、
    雄:交配前62日~剖検日
    雌:交配前14日~妊娠7日
    0、20、60、200 無毒性量:
    60 (親動物)
    200(胎児)
    器官形成期投与試験 ラット 経口、妊娠7日~17日 0、20、50、150 無毒性量:
    20 (母動物)
    50 (胎児)
    150(出生児)
    ウサギ 経口、妊娠6日~18日 0、8、20、50 無毒性量:
    8 (母動物)
    50(胎児)
    周産期及び授乳期投与試験 ラット 経口、妊娠17日~分娩21日 0、20、60、200 無毒性量:
    60(母動物)
    60(出生児)
    • ※1 ガチフロ点眼液0.3%インタビューフォーム Ⅸ.非臨床試験に関する項目 2.毒性試験

    血液―胎盤関門通過性※2

    14C-ガチフロキサシンン10mg/kgを妊娠18日目のラットに単回経口投与し、1及び24時間後の各組織内濃度を測定した結果、投与1時間後の胎児中放射能濃度は2.45μg eq./g、妊娠ラットの血液中濃度は2.60μg eq./mLであった。なお、24時間後の胎児中放射能は検出されなかった。

    • ※2 ガチフロ点眼液0.3% インタビューフォーム Ⅶ. 薬物動態に関する項目 5. 分布
  • 授乳婦へ投与できますか?
    授乳婦への投与経験はありますか?

    ガチフロ点眼液0.3%は承認時までに授乳婦への使用経験がなく、安全性が確立していません。治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。
    授乳の継続を判断される場合は、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後、目を1~5分間静かに閉じ、目がしらを軽く押えるようご指導ください。また、副作用の発現等に十分にご注意ください。
    投与経験としては、製造販売後に実施した授乳婦を対象とした特定使用成績調査において、全ての症例(13例)に副作用は認められませんでした。

    【参考】乳汁への移行性(非臨床試験)

    14C-ガチフロキサシン10mg/kgを分娩後10日目の授乳中ラットに単回経口投与し、経時的に血液中及び乳汁中濃度を測定した結果、乳汁中濃度は血液中濃度より高く、乳汁/血液中放射能濃度比は3.5~7.4であった。24時間後では、血液中放射能濃度は0.08μg eq./mLに低下し、乳汁中放射能濃度は検出限界(0.05μg eq./mL)付近であった。したがって、ガチフロキサシンは乳汁中へ分泌することは確認されたが、残留性はないと考えられた。

    • ※ガチフロ点眼液0.3% インタビューフォーム Ⅶ. 薬物動態に関する項目 5. 分布

安全性

  • 副作用一覧

    承認時:
    臨床試験での総症例429例中、副作用は25例(5.83%)に認められました。主な副作用は眼刺激12件(2.80%)、眼そう痒症6件(1.40%)でした。以下に承認時の副作用発現状況一覧を示します。

    承認時:副作用発現状況一覧

    調査症例数 429例
    副作用等の発現症例数 25例
    副作用発現症例率(%) 5.83%
    副作用の種類 発現例数(%)
    眼刺激 12 (2.80%)
    眼そう痒症 6 (1.40%)
    霧視 2 (0.47%)
    点状角膜炎 1 (0.23%)
    虹彩炎 1 (0.23%)
    眼瞼炎 1 (0.23%)
    結膜炎 1 (0.23%)
    結膜出血 1 (0.23%)
    流涙 1 (0.23%)
    皮膚および皮下組織障害 蕁麻疹 1 (0.23%)
    呼吸器 鼻漏 1 (0.23%)

    市販後の特定使用成績調査:
    特定使用成績調査での総症例1437例中、副作用は9例(0.63%)に認められました。主な副作用は眼刺激2件(0.14%)、眼そう痒症2件(0.14%)でした。以下に特定使用成績調査の副作用発現状況一覧を示します。

    特定使用成績調査時:副作用発現状況一覧
    調査の種類 小児に対する調査 妊産婦に対する 調査 長期投与に関する調査 その他
    1歳未満 新生児
    (生後27日以下)
    第1回 細菌学的効果 (菌の消長) 第2回 細菌学的効果 (菌の消長)
    調査症例数 110例 68例 21例 276例 466例 496例
    副作用等の発現症例数 2例 7例
    副作用発現症例率 0.72% 1.50%
    副作用の種類 発現件数 (%)
    眼刺激 2例 (0.43%)
    眼そう痒症 2例 (0.43%)
    点状角膜炎 1例 (0.21%)
    結膜充血 1例 (0.21%)
    前房のフィブリン 1例(0.36%)
    適用部位熱感 1例 (0.21%)
    眼圧上昇 1例(0.36%)

    ガチフロ点眼液0.3%インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 8.副作用(2)その他の副作用

貯法

  • 保管方法と開封後の使用期限は?

    直射日光を避けて室温(1~30℃)で保管してください。
    また、開封後の使用期限は1ヵ月を目安に使用してください。症状により治療期間は異なりますが、治療終了後の残液は廃棄するようご指導ください。

服薬指導

  • 他剤と併用する場合の点眼順序と間隔はどうすればよいですか?

    点眼順序、併用間隔等の点眼の仕方について、医師の指導がある場合にはそれに従ってください。指導がなかった場合は、併用する点眼剤の添付文書に従ってください。添付文書にも記載が無い場合、点眼順序はどちらが先でも構いません。
    また、併用間隔については、他の点眼剤との点眼間隔が短い場合、先に使用した点眼剤の吸収が不十分となり効果が現れにくくなります。また、先に使用した点眼剤と後に使用した点眼剤が配合変化を生じる可能性があるため、少なくとも5分以上の間隔をあけてから点眼するよう患者様へご指導ください。

  • コンタクトレンズを装用したまま点眼可能ですか?

    眼感染症における患者様の眼表⾯の状態などを考慮して、弊社ではコンタクトレンズ(CL)の装⽤をお勧めしません。

    医師が患者様のCL装⽤を認めた場合は、ハード(酸素透過性)・ソフトを問わず、いずれのCLもはずしてガチフロ点眼液0.3%を点眼し、5分以上あけてから再装⽤ください。CLを装⽤しての有効性・安全性を確認していません。
    ただ、治療中におけるCL装⽤の可否やCL 装⽤時の点眼可否については、患者様の病態に応じて、最終的には診察された医師にご判断いただく必要があります。患者様の治療状況とアドヒアランス等を考慮して患者様ごとにCL装⽤ならびにCL装⽤時の点眼可否をご判断ください。

    ※当情報を、許可なく複写、複製、転送、改変等を⾏うことはご遠慮ください。

    〈2023/02 作成〉

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