用法・用量

  • 用法は1日2回点眼ですが、どの時間帯に点眼し、1回目と2回目の点眼間隔はどのくらいあければよいですか?
    アイベータ配合点眼液を点眼する時間帯に特に決まりはありません。異なる時間帯に点眼して眼圧下降効果を比較検討した試験は行っていないため、点眼する時間帯によって効果に差がみられるかは明らかではありません。本剤は、1日2回点眼であるため12時間あけて点眼することをお勧めします。
    なお、本剤の治験(第Ⅲ相試験:原発開放隅角緑内障(広義) 又は高眼圧症を対象とした0.5 % チモロール 点眼液対照比較試験)では9:00±1時間 及び21:00±1時間に点眼を行い、有効性及び安全性を確認しています1)

    引用
    1) アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅴ.治療に関する項目 5.臨床成績(4)検証的試験

特殊背景患者

  • 気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者に禁忌の理由は?
    配合成分のチモロールマレイン酸塩が全身的に吸収され、肺において β 受容体を遮断することにより、気管支平滑 筋収縮作用が生じ、喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがあります1)

    1) アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
  • コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者に禁忌の理由は?
    配合成分のチモロールマレイン酸塩は、コントロール不十分な心不全のある患者では、β 受容体遮断作用により心不全の出現や増悪がみられるおそれがあり、洞性徐脈、房室ブロック( Ⅱ、Ⅲ度)のある患者では、 β1受容体遮断による心臓での刺激伝導抑制作用が原因となり、症状の増悪がみられるおそれがあります。また、心原性ショックは心臓ポンプ機能の低下による循環不全であり、本剤の投与は このポンプ機能の低下を増悪させることがあります。

    アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
  • 妊婦へ投与できますか?

    アイベータ配合点眼液は承認時までに妊婦への使用経験がなく、安全性が確立していません。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後、目を1~5分間静かに閉じ、目がしらを軽く押えるようご指導ください。
    アイベータ配合点眼液では検討していませんがチモロールマレイン酸塩では器官形成期のラットに500mg/kg/日を経口投与した試験で骨化遅延が、マウスに1,000mg/kg/日 、ウサギに200mg/kg/日 を経口投与した試験で死亡胎児数の増加が認められています1)
    ブリモニジン酒石酸塩(アイファガン点眼液0.1%)の生殖発生毒性試験2)では妊娠ラットに経口投与した場合、1.0mg/kg/日(臨床用量の倍)では親動物で1.0 mg/kg/日群で尿による下腹部の汚れ及び体重増加抑制が認められた。F1出生児では、1.0 mg/kg/日群で離乳前後に雌雄とも体重低下が認められています。

    【参考】 アイベータ配合点眼液の生殖発生毒性試験に関する試験は実施しておりません。

    ブリモニジン酒石酸塩(アイファガン点眼液0.1%)生殖発生毒性試験2)

    試験項目 試験系 投与経路、期間 投与量
    (mg/kg/日)
    試験結果(mg/kg/日)
    受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 ラット 経口 0、0.01、0.1、1.0 無毒性量:0.1(親動物、出生児)
    無毒性量:1.0(胚・胎児)
    生殖能に対する無毒性量:1.0(親動物)
    親動物では、1.0mg/kg/日投与群に尿による下腹部の汚れ及び体重増加量抑制が認められた。F1出生児では、1.0mg/kg/日投与群で離乳前後に体重低下が認められた。
    胚・胎児発生への影響に関する試験 ラット 経口、妊娠6日から15日 0、0.1、1.0、2.5 無毒性量:0.1(母動物)
    無毒性量:2.5(胎児)
    生殖能に対する無毒性量:2.5(母動物)
    母動物では1.0mg/kg/日投与群から泌尿生殖器周囲の汚れ等が認められ、2.5mg/kg/日投与群に瞳孔散大(散瞳)、ふらつき歩行、自発運動低下等も認められた。また、体重及び体重増加量、摂餌量が1.0mg/kg/日投与群から用量依存的に低下した。
    ウサギ 経口、妊娠6日から18日 0、0.25、1.0、5.0 無毒性量:0.25(母動物)
    無毒性量:5.0(胎児)
    生殖能に対する無毒性量:1.0(母動物)
    母動物では5.0mg/kg/日投与群に自発運動低下、ふらつき歩行等が認められたほか、体重増加量の抑制及び摂餌量の低下、流産が認められた。また、1.0mg/kg/日投与群に、体重増加量の抑制が認められた。
    出生前及び出生後の発生ならびに母体の機能に関する試験 ラット 経口、妊娠16日から分娩後20日 0、0.01、0.1、1.0 無毒性量:0.1(母動物)
    無毒性量:0.1(出生児)
    生殖能に対する無毒性量:1.0(母動物)
    母動物では、1.0mg/kg/日投与群に尿による汚れ、眼の蒼白化及び瞳孔散大(散瞳)が認められたほか、体重及び摂餌量の低下が認められた。F1出生児では、1.0mg/kg/日投与群で離乳前後に体重の低下が認められた。
    *雄:交配前10週間、交配期間及び剖検前日まで
     雌:交配前2週間、交配期間及び帝王切開前日あるいは離乳前日まで

    引用
    1) アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (5)妊婦
    2) アイファガン点眼液0.1%インタビューフォーム Ⅸ.非臨床試験に関する項目 2.毒性試験 (5) 生殖発生毒性試験
  • 授乳婦へ投与できますか?
    アイベータ配合点眼液の授乳中の女性への投与は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。チモロールマレイン酸塩は、ヒト母乳中へ移行することが報告されています1)。また、ブリモニジン酒石酸塩は、動物実験(ラット:経口投与)で乳汁中に移行することが報告されています2)

    引用
    アイベータ配合点眼液インタビューフォームⅧ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意(6)授乳婦
    【参考】海外では出産後よりチモロールマレイン酸塩を点眼していた授乳婦に血漿中に0.93ng/mL、母乳中に5.6 ng/mLの移行が認められた1)
    授乳期ラットに14C-ブリモニジン酒石酸塩0.250 mg/kg(14C-ブリモニジンとして0.165 mg /kg)を単回経口投与したときの血漿、血液及び乳汁中放射能濃度を測定した。乳汁中のCmax は投与後2 時間の121 ng eq./g、血漿中においては、投与後0.5 時間の30.9 ng eq./g であり、乳汁/血漿比は0.5、2、8 及び24 時間でそれぞれ1.4、9.4、12 及び0.98 であった。72 時間では、いずれの組織においても放射能は検出されなかった2)

    1)Lustgarten.J.S.,et al : Arch.Ophthalmol. 101.1381,1983
    2)アイファガン点眼液0.1%インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目 5.分布(3)乳汁への移行性
  • 小児等(低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?
    アイベータ配合点眼液は低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児 には投与しないでください。
    外国でブリモニジン酒石酸塩点眼液の市販後において、乳児に無呼吸、徐脈、昏睡、低血圧、低体温、筋緊張低下、嗜眠、蒼白、呼吸抑制及び傾眠があらわれたとの報告があります。このことから低出生体重児、新生児、乳児又は2 歳未満の幼児を禁忌としています。

    低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児以外の小児等では国内における使用経験はありません。
    2~7歳の幼児及び小児への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
    投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後、目を1~5分間静かに閉じ、目がしらを軽く押えるようご指導ください。
    なお、外国での臨床試験において、0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を1日3 回投与した場合2~7歳の幼児及び小児に高頻度(25~83%)で傾眠が認められています。

    引用
    アイベータ配合点眼液インタビューフォームⅧ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意(7)小児等

相互作用

  • アルコールを飲んではいけませんか?
    アイベータ配合点眼液の投与とアルコールを飲むことは禁止していませんが、本剤の「使用上の注意」のうち、相互作用欄に併用注意として「アルコール」を記載しています。本剤には鎮静作用(傾眠等)がありますが、アルコールを飲んだ時にも同様に鎮静作用があり、相加的に鎮静作用が増強される可能性があります。このための注意として記載しています。

    鎮静作用を増強するアルコールの摂取量、または、ブリモニジン酒石酸の点眼と飲酒の間隔に関しては、データがなく、個人差があるため不明です。

    引用
    アイベータ配合点眼液インタビューフォームⅧ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 7.相互作用 (2)併用注意とその理由

安全性

  • 副作用一覧

    承認時:
    国内で実施した臨床試験163例 中、副作用は18例(11.04%)に認められました。
    以下に承認時の副作用発現状況一覧を示します。

    副作用発現状況一覧

    症例数 163例
    副作用発現症例数 18例
    副作用発現頻度(%) 11.04%
    副作用の種類 発現例数(%)
    点状角膜炎 4 2.45%
    眼刺激 4 2.45%
    結膜充血 4 2.45%
    角膜びらん 2 1.23%
    眼部不快感 2 1.23%
    結膜浮腫 1 0.61%
    アレルギー性結膜炎 1 0.61%
    羞明 1 0.61%
    閃輝暗点 1 0.61%
    眼そう痒症 1 0.61%
    耳そう痒症 1 0.61%
    ※承認時までの臨床試験成績の集計、第Ⅲ相比較試験(3-02)

    引用
    アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 8.副作用(2)その他の副作用

貯法

  • 保管方法
    アイベータ配合点眼液は緑色の容器により室内光下での保管が可能です。直射日光の当たらない涼しい場所で保管してください。保管温度は室温(1-30℃の範囲)です。冷蔵庫での保管も可能です。凍結しないようご注意ください。もし、誤って凍らせてしまった場合は、溶けた後が凍る前と同じ外観であっても使用しないでください。

服薬指導

  • 点眼時の注意点はありますか?
    点眼に際しては、患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼してください。
    また、薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意してください。

    【参考】
    点眼液は鼻涙管を経由して鼻咽頭粘膜から全身へ吸収されることがございます。閉瞼及び涙嚢部を圧迫することにより、全身への吸収を抑制して治療効果を高め、また全身性の副作用を防ぎます。

    引用
    アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 11.適用上の注意 14.1薬剤交付時の注意

    〈2023/02 作成〉

  • 他剤と併用する場合の間隔は?
    点眼順序、点眼間隔等の点眼の仕方について、医師の指導がある場合にはそれに従ってください。
    指導がなかった場合は、併用する点眼剤の添付文書に従ってください。
    添付文書にも記載が無い場合、点眼順序はどちらが先でも構いません。

    【参考】
    他の点眼剤との点眼間隔が短い場合、先に使用した点眼剤の吸収が不十分となり効果があらわれにくくなります。また、先に使用した点眼剤と後に使用した点眼剤が配合変化を生じる可能性があるため、少なくとも5 分間以上の間隔をあけてから点眼するよう患者様へ 指導ください。

    引用
    アイベータ配合点眼液インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 11.適用上の注意 14.1薬剤交付時の注意
  • コンタクトレンズを装用したまま点眼可能ですか?
    ハードCL(酸素透過性CLを含む)・ソフトCLを問わず、いずれのCLもはずしてアイベータ配合点眼液を点眼し、15分以上あけてから再装用ください。CLを装着しての有効性・安全性を確認していません。
    ただし、CL装用中の点眼可否は一概に決められるものではありません。患者様の治療状況とアドヒアランス等を考慮して患者様ごとに点眼可否をご判断ください。

    ※CL(コンタクトレンズ)

    〈2023/02 作成〉

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